不明の地図

 

星々も息を止めるころ

出鱈目にこしらえた人形のように一音ずつ刻むほとんど不毛な

 

星形に抜いた紙

手を浸す琺瑯

雫が溢れて数時間のち結晶する

 

ピンで止めた

墓標

1日の

捨て置かれ

ただ脆く

 

手で払い除けられるほどの

 

なにもなさなかったなににもならなかった

ただその日でさえ

まったくの無意味なものの

そんざいさえ許されない

世の社会のひたすらの重さより

 

軽さと無意味さと取るにもたらない無用なこの1日を私は選ぶ

 

気の抜けた風船のような怠惰でやさしい日々と

夢の中であなたは何をしていましたか

 

私のお腹は柔らかく膨れて

 

それはそれは白く輝くようで

 

ぼんやりとまどろむように

 

道の端から先までを眺めて

 

待っています

 

細く長い糸を垂らして

 

針に引っかかるのを

 

星ひとつあなたにあげるのを

僕の神様のかたちをおぼえておこうと

まぶたの裏で

ていねいに輪郭をなぞる

ほとんどそれは存在と同じに

 

まばたきを

ささやかな

まつげのかぜを

なんどでも

 

そっと触れるだけの邂逅

 

星が生まれて死ぬまでの間に

 

ここまでおちて欲しかった

ひかるはお山か幽霊か

私がとりこぼしたものすべて

ネオンカラーの羊羹にほおりこんで

食べさせる

宇宙から響いてくる音と共に

 

図書室 奥の回廊抜けて

青ざめた騎士と

地政学的にどうしようもない影を背負って

 

無責任な罵倒 残らず説き伏せたとて

すべてが失敗に終わる

まったく無意味な憤り

 

 

 

他人のままで隣に居続ける

そっぽ向いた影ぼうし殴りつける

 

可視光線の向こうから振り返るご先祖の

ひかるはお山か幽霊か

あなたが ふせる睫毛の端々に星がきらめいて

こぼれおちていく声に耳をすます ひそやかに

 

足で踏まれるかたつむりの

殻の感触と

どちらがここちよいだろうか

 

折り返し裏返し単調なる日々にあたう

 

名を呼ぶだけ刻まれる

 

誰にも追いつけない鬼ごっこ

 

虚しくおもうこともなくいられたら