プネウマ catch a sign

プネウマ 風船とはプネウマであると同時にポエトリーだ さあ詩を浮かべて街を歩こう いろとりどりを手に手に おとなもこどもも 世界を詩で満たすのだ

いつまでもみえないもの

「探検とは知的情熱の肉体的表現である。」 世界最悪の旅 本物の君は雲の中で冷たく硬く凍りついている ウサギの脚で君のほほをはたく ふたりの強張りがとけたら 永遠に続く西日の世界 何もかもくっきりと輪郭を縁取るような

不明の地図

星々も息を止めるころ 出鱈目にこしらえた人形のように一音ずつ刻むほとんど不毛な 星形に抜いた紙 手を浸す琺瑯桶 雫が溢れて数時間のち結晶する ピンで止めた 墓標 日1日の 捨て置かれ ただ脆く 手で払い除けられるほどの なにもなさなかったなににもなら…

夢の中であなたは何をしていましたか 私のお腹は柔らかく膨れて それはそれは白く輝くようで ぼんやりとまどろむように 道の端から先までを眺めて 待っています 細く長い糸を垂らして 針に引っかかるのを 星ひとつあなたにあげるのを

僕の神様のかたちをおぼえておこうと まぶたの裏で ていねいに輪郭をなぞる ほとんどそれは存在と同じに まばたきを ささやかな まつげのかぜを なんどでも そっと触れるだけの邂逅 星が生まれて死ぬまでの間に ここまでおちて欲しかった

ひかるはお山か幽霊か

私がとりこぼしたものすべて ネオンカラーの羊羹にほおりこんで 食べさせる 宇宙から響いてくる音と共に 図書室 奥の回廊抜けて 青ざめた騎士と 地政学的にどうしようもない影を背負って 無責任な罵倒 残らず説き伏せたとて すべてが失敗に終わる まったく無…

あなたが ふせる睫毛の端々に星がきらめいて こぼれおちていく声に耳をすます ひそやかに 足で踏まれるかたつむりの 殻の感触と どちらがここちよいだろうか 折り返し裏返し単調なる日々にあたう 名を呼ぶだけ刻まれる 誰にも追いつけない鬼ごっこを 虚しく…

ピンクのまんまる

毛を失った体はみっともなく丸くボールのようだった。 毛は気がつかづいた、思ってもみないよりどころであったのだ。 剥き出しの肌がひんやりと痛いほどではないが温度を感じている。 しかしながら、変化は変化だ。 ついぞ訪れることのなかった、変化だ。 冷…

ノットボディポジティブ

私が私をよしとすること こそが現代では困難で、誰もが何かの、誰かの、社会的な承認を求めてしまう。それが悪いとは言わないけれど、なんだか過剰すぎないか。 「私」が良ければそれで良いじゃないかと思う。 とっても良い活動のはずなのに、ボディポジティ…

芸術家は押し並べて王の道化である。 今も変わらず、王が資本家に変わっただけだ。

羞明

ただ視線を交わすだけで良い ビーツのスープよりも深く分かり合えるから 浮かぶサワークリームは淡く溶けて ディルの香りは深く皿に染み込んで ここから先の窓へ手を振りに行こう テーブルに全てを置き去りにして

老い

恋が終わるとことばも終わる 黒ずんでしまった手のひらと ほどかれた髪の毛 下腹の柔らかさも遠く 輝く星だけは古いまま光を届ける

大きな観覧車だけが回っているさみしいところ 他には風の音しかしない 目をつむっても くるくる くるくると さみしいところ 取り残されることをのぞんだの 撥水加工のショーツから にょっきりと長い脚が伸びている 海はただ眺めるだけっていったのに 騙すこ…

今朝の夢 2つの緑の墓

団地に住んでいる。 一人で留守番をしている。 団地の窓からふと下の公園を見ると公園の左側にこんもりと人の収まるほどの大きさの緑色の盛り上がりが2つある。 先日まではなかったものだ。 お金がなくて、葬式もあげられず、遺体の処理や火葬の手続きもでき…

おくびにもださぬようへらへらと笑うのです ただ私の記憶の中の君が健在ならばしてそれで ただこの世の有り様は平行世界(パラレル)にて ありえたかもしれない私が脳髄の奥でとぐろを巻くのです

15年ほど前の

冷たい床 台所に魚がいるのです。 流しの下、そっと潜んでいるのです。 赤色を靡かせて、何処か涼しげに。 妙な景色なら、ずっと前から見えていたんです。 気づかないようにしていただけで。 吐き出すことならまだまだ有ります。 カーテンはやることもなく揺…

時がね止まれば良いのに 君をおもうよソーダ水ごしの景色と きらきら光がやがて雲に隠れるくらげみたいにいつまでもぶよぶよと 形もさだまらないまま泳いでる

幕間からこぼれ落ちる星 それは私から生まれて 私ではないもの オノマトペの 行間をかいくぐって コラージュのドレスで踊る ビープ音、マシンから響く 手足のとれたリカちゃん人形 果たされない予感と生きていた 果たされない予感に呼吸していた幕間から星が…

夜道を蛸になる。

仕事を終えて、明日の神話の前で待ち合わせてご飯。 そして渋谷のシネマヴェーラで『次郎長三国志』を見る。 土日からあわせて今日が三部目。 映画を見終わり、けだるさの中、電車で分かれて帰路につく。 電車を乗り換え、運良く座席に着くと眠気が襲う。 す…

なにものでもないことと、なにものかであることを拒否することについ

自分が何者であるのか、を考えるのにはやはり日本の方が都合が良いこと。境界にいること。常に世界の内側ではなく自分は世界の縁にいるのだということ。 常に境目で戸惑っているという状況が自分の居場所であるのかもしれない。 それすらも否定して。思考の…

ロンドン暴動

中心街では大変なことになっておりますが、 ロンドンから約2時間の地方都市、カンタベリーでは特に問題ありません。 フェイスブックで心配いただいた声もあるので、こちらからも。 ただ、昨夜、騒ぎに便乗した若者が ハイストリートで数名捕まったようです…

The Ones Who Walk Away From Omelas,

私たちはまだオメラスにいて、何の責任も背負わずに、耳を塞ぎ目を閉じている。 何かのために犠牲になって失われて良いものがあるわけないだろうがと現状に甘んじてぬくぬくと暮らしていたわが身に怒りを覚える。 失われて良い人などいない。 無駄に人を死な…

kaerukunn

「片桐さんは私たち一人ひとり」という言葉を見た。。 「正直に申し上げまして、あなたはあまり風采があがりまえん。弁も立たない。だからまわりから軽く見られてしまうところもあります。でもぼくにはよくわかります。あなたは筋道のとおった、勇気のある方…

地震に関する情報まとめ

イギリスにいる私にもできることを思い、 被災された方や、被災地以外の方に有益な情報を 羽海野チカ先生のブログを参考に、 2,3情報を追加してまとめてみました。 関東に住む人にはこれからの過ごし方も参考になるかと思います。 【緊急用伝言ダイヤル操…

ウィネバゴインディアンのトリックスター神話から 『コヨーテ種をま

あてどもなく歩くコヨーテ、ペニスはくるくると巻いて箱の中にしまってある。箱を担いで歩いてるとどこからか声がする。 「おういコヨーテ、どこへ行くんだい?箱の中身はおまえのちんこかい」 コヨーテ<いけすかないやろうだ。なんで箱の中身を知ってやが…

trickster

まわれ まわれ 僕の世界よ きらきらと輝く糞尿を撒き散らせ 君の頬はばら色に微笑む ふわふわと君の柔らかな羽毛に包まれて 長い長いペニスがいま射精する 気をやるまではまだまだ終わらない 太陽が中心にくるまではね

つきふたつ

ほうほうと不穏な小人、合いの手いれる あなたの好きな管楽器の音が響く 夜は長く、月は明るい ハローとうたえばこだまのよう 繰り返し互いに呼び合うよ 夢のように けれども確かな世界で 確かめ合う形をうけいれるすべて

わたしはドーナツになりたい

私には穴が、穴があいている。ふいごみたいにすってはいてすってはいてを繰り返している。 かろやかに髭の男がステップを踏んでいる。 どこにも辿り着けずに そこは円周の縁。 つまづかないように そっと そっと かるく 触れながら 耳をそばだてて その中心…

ネカフェ

頬をすりあわせて シネマみたいに 猫みたいに 舌が触れあう ただひとつの記憶だけで 遠吠えばかりしていた夜が終わる 記号による反応も 禍い多くとした祝福でさえも 並列上で無表情にまどろんでいる 恍惚とした空白

問診

早起きをして病院に行こう たくさんのひと、 たくさんのざわめき 君の鼻の形 ぴりぴりとする肌に触れる 赤みを帯びた膿みさえでない 炎症は静まるのをただ待つのみ お薬を、お薬をください先生。 お注射をお注射を君に打てば良い 形の良い鼻がひくりと揺れた